19時過ぎに到着するともうサイン会が始まっているらしく、人の列が。店内の階段を上っていくと、一番奥の小さな円テーブルの向こうに島田さんが座っていて、手前に置いてある椅子に一人づつ座ってサインしてもらうようだ。顔なじみの島田ファンの方に挨拶。整理番号順に呼び出されることなどを伺う。「何番ですか?」「20番代」「私は60番代です」「いつ(本)買ったの?」「土曜日の夜10時過ぎですかね」「なんだか、今日買った人でも大丈夫だったみたいよ」「やっぱり…」「あなた、もう読んだの?」「はい、今回は軽いですよー。さらっとしてます。」「そうー、私はまだ1ページも読んでなくって。ははは」店内から聞こえてくる声も、まだ読んでいないというようなのが多かった気がする。私も島田本買っても積読の時あるもんなー。とりあえず私の番はまだまだ先なので、なんか読もうかなーととりあえず目に付いた佐藤雅彦『子供の仕事』と『トゥーチカと飴』を手に取る。本当にうっすーいし、もの凄く平易に書いてあるのであっという間に読み終わるのだけど、子供向けって訳じゃないんだ、とちょっと驚く。しかしこの人のつくるものっていうのは、一度接したらその後、ふとした時に何度も何度も頭に浮ぶようなものが多いと思う。この2冊にも旦那にもうちょっと悩んでもらおうとそっとしておく奥さんとか、利益を上げながら誠意を尽くそうとする工場の人とか、この後私は何度も何度も思い出すだろう(じゃぁ、買えって)。で、まだまだ呼び出しは20番代なので、安野モヨ子『働きマン』を立ち読み。しばらくすると呼び出されたので、列に並ぶ。「島田さんにメッセージをどうぞ」「UOMOの連載で挑戦して欲しい習い事は?」というアンケートを手渡される。「『おことば』面白かったです。皇室の戦後って無限カノンよりドラマチックですね。」とか、「セレブにチバレイにヨガとか習ってください」などとニチニチといっぱい書いている内に自分の番。シルバー、黒、オレンジなどの色からサインするペンを選んでください、とのことで「うーん、どれでもいい」とか思いつつ、「じゃぁ、オレンジで」。しかし、いつものハートマーク付きサインが一層…思わず「す、凄い色だった…」と口にしてしまうと、島田さんから「や、これは表紙と同じ色だからね」とフォローが。えぇ、それは分かっているんですけど。「会社の同僚*1がよろしくって言ってました。」と伝えるものの、私は彼女の旧姓を忘れてしまい、島田さんは誰か分からなくて困惑している模様。まぁ、そりゃそうか、小学校の同級生の名前なんてすぐ思い出せないもんなー。握手して、終了。久々のサイン会だったので、もっと舞い上がるかなーと思ったけど、2年前みたいにサイン会の間中物陰からにっとりと観察する、というようなこともせず、自分の番が終ったらさっさと帰ってきてしまった。白髪目立ってたなー。輪郭も変わってきたし。なんとなく盛り上がらない自分を意外に感じつつ、最初に生島田を見た時は私もまだ高校生だったわーとか時間の流れを思う。

*1:島田さんと小学校の同級生