『退廃姉妹』(by 島田雅彦)読了。『快楽急行』の20倍は面白かったけど、何だかいろんな所が鼻につくわりに、ググッと入り込む感じが薄かったのは、女の人が主人公だから?何だか、何が書きたかったんだろうなぁと思ってしまった。島田さんが女の視点で書く恋愛とセックスの描写は毎度の事ながら胡散臭い。『愛の流刑地*1(by 渡辺淳一)よりは読んでて全然辛くないけど。年齢差か?自分と異なる性のリアルについて知ることは、テイレシアスじゃないから出来ないから、ファンタジーですね。山田詠美の右脳と左脳と一人ずつの女性として姉妹にイメージした、なんて対談で言っていたが、そうかな???退廃姉妹
おことば 戦後皇室語録『おことば』の方は先週読んだが、こちらの方はいろんな意味で感慨深かった。何より島田さんがこういう事書くようになったのかー、というのも大きかったけども、結局、先の3部作で書いたストーリーも、今回の新刊も、このリアルでドラマチックな60年を越えてないんじゃないかと思ってしまった。島田さんがあとがきで書いてるようなものとしてこの本が捉えられることはあんまり無いんじゃないかなぁと思うんだけど、島田さんがどういう視座で皇室を見てるのかがするっとまとまっている。

*1:日経新聞で絶賛連載中